潰えし野望 「これで、わたしの1999勝目ね、次でゾロ、あなた2000連敗よ?」 まだ幼さの残るものの、その双眸の中に凛としたものを感じさせる黒髪の少女が 得意気に竹刀の切っ先を、しりもちをつきながらもいかにも負けん気の強そうなまなじりで 少女を睨みつけている少年の鼻先に突きつけている。 「うるせぇー!今日もたまたま調子が悪かっただけだっ!!本当だったらくいな!、おま、、、」  ゾロと呼ばれた少年のおそらく1999回目の負け惜しみを途中で遮り、そのゾロからくいなと呼ばれた黒髪の少女が 心底あきれたように言った。 「はぁ〜〜〜、あんたの強がりもこれだけ続くと感心すらするわ、これだけ毎っ回、毎っ回打ちのめされてるのに 懲りずにまた挑戦してくるんだもんね、、、まぁそれに付き合ってるわたしも私なんだけどね」 「ちょっ、調子に乗ってんのも今のうちだぞ、次の二千回目の勝負!きっちり道場の奴らの前でかたぁつけてやるっ」 ゾロの減らず口にばか負けしたのか、くいなはゾロに突きつけていた竹刀を己が脇に戻し、その場を立ち去るかに 思われたが、ふと肩越しにゾロをちらりと見やり 「な〜にが世界一の剣豪を目指す!よ。全く身の程知らずにも困ったものね・・・そうね!私が世界一の剣豪になった暁には ゾロ、あんたを供廻り衆の一人にしてあげてよくってよ、な〜んてネ、あははははは」 ゾロをさんざ打ちのめし、決めの台詞もバッチリきまって今度こそ気分よく踵を返し歩き出した。  (くっ、くそ!何が供回り衆の一人にだ!この女ぁなめやがって、、、) 弾き飛ばされた自分の竹刀を音を立てずに握り締めると、彼の目の奥に鈍く青白い焔が宿った。  平素の彼であれば、背を向けた相手を襲うなどとは、その曲がったことの大嫌いな一本気な性格から考えもつかないことであるが、年上とはいえ 女の子に1999連敗を喫するという現実から襲ってくる、男としての沽券を喪失しかねない 程の羞恥心と踵をかえした際のくいなが発した何気ない挑発がゾロの自制心を狂わせてしまった。 [2ページへ] [戴き物展示場へ]
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