男殺し・河上加代・7 第2部 あたしは、あの一件のあと学校を辞めた。 別に事件がばれた訳でもない。被害者の義重も今では退院し、なぜかあたしの後ろをついてくる。 あたしは、義重が入院している間、毎日お見舞いに行った。 バイク事故にしたのは後輩がやったことだ。 あたしが金玉を潰し意識の無くなった義重の後始末を後輩に任した。 別に殺そうとも思わなかった。最大の屈辱を与えながら金玉を潰したんだ。 義重は「男」として死んだんだ。だからあたしはそれ以上やる必要は無いと思った。 しかし、襲われた後輩は納得いかなかったのだろう。義重に服を着させ、バイクに乗せ、右手をアクセルに固定し T字路で狙いすまし無意識の義重をバイクで走らせ、交通事故・・・・あたしはその後輩共を殴りつけた。 これはあたしのしたことだ。捕まるならあたしが捕まればいい。 なのにあの馬鹿共ってきたら・・・一緒に捕まりたいのか? だから、あたしは毎日義重のところに行って謝った。 確かに義重のしたことは最低だが清算は受けた。男として生きていけなくなったんだ。 もし、あの時あたしが殺してしまっていたら警察に行くつもりだった。 もし、義重が訴えたなら即容疑も認める覚悟だった。 しかし、後輩共が馬鹿をやってしまったせいで、訴えられたら後輩までが警察の手の中に入ってしまう。 あいつ等には両親も愛すべき彼氏もいる。そして被害者なんだ。 だから、後輩だけは見逃してくれ!!って頼んだ。 義重は最初口もきかず、脅えた目であたしを見た。 しかし日がたつにつれ、次第に口をきくようになってきた。 今では「姉御、姉御ったら!!」なんてチンピラが組の女幹部を呼ぶように呼び、あたしのケツを追いまわしている。 どうやら、義重はあたしの強さと性格に惚れたらしい。 ただの馬鹿だ!!どこの世界にボコボコにされ、さらに自分の金玉潰した女を好きになる男がいるんだか・・・・ そんなこんなで、義重は後輩を訴える事をしなかった。 そして、自分で後輩のところに行って、必死に自分のやったことを謝った。 後輩も嫌々ながら納得はした。 あたしは学校を辞めた。ケジメをつけたかった。 義重の金玉を潰した時点でケジメをつけたつもりだったが、その後後輩がズルズルと先を伸ばしてしまった。 だから、ケジメをつけたく学校を辞めた。 毎日が退屈だ・・・・あたしには両親はいない。今年交通事故であの世に行った。 だから今のあたしを怒る人も、面倒を看てくれる人もいない。 ただ、無気力に町を歩いていた。 「姉御!!姉御!!おーい姉御!!」 ・・・また来たよ・・玉無しの義重が!! 「ちょっとその呼び方やめてよ!!いいかげん起こるよ!!また地獄みたいの!! 今度はお前の本当の命(タマ)とっちまうよ!!!」 一瞬、義重の顔が青ざめた。きっと恐怖が蘇ったのだろう。 「・・・・・・勘弁してくださいよ。もうあの苦しみは味わいたくないっすよ・・・ それより姉御!!暇だ、暇だ!!!って言っていましたよね? 面白い話があるんですけど・・・」 「なに?本当に面白い話なの!!?早く聞かせてよ!!」 「まーそうあせらずに・・・え〜地下プロレスに出ませんか?俺の学校の先輩からの誘いなんですけどね。 どうもヤクザが借金を払えない奴、町でいきがっている奴、各学校の番長とか色々よんで 月一で試合をやってるみたいなんですよ!!階級とかは無くて、あるのは年代での試合。 姉御は17歳だから十代の部ですね。さらに凶器以外は何でもあり!!!相手を殺してもお構いなし!! 罪にはとわれない、それ以前に社会的に出ませんから。 でも、この試合から這い上がった格闘家も多いみたいですよ!! どう!!姉御にぴったりじゃないですか!!出ましょうよ!!ファイトマネーも半端じゃないっすよ!!」 「・・・・あのねー。あたしは女!!!いい?女なの!!こんな体しているけど一応女!! 出るんだったらあんた出なさいよ。」 「そんな冷たいこと言わないで!!いいでしょ?っちゅうかもう先輩に頼んで申し込みしました!! しかも女ってことは内緒で!!いいストレス発散ですよ!!姉御は半端じゃなく強いんですから!!! 最近鍛えてないんでしょ?溜まってるんじゃないんですか?体を動かせて、さらに金を稼ぐ!!! しかも、ボコボコにし放題!!!」 「あんた!!!出ましょうね?じゃなくて出ますからだろ!!!! なんであたしが・・・・でも確かに魅力的だね・・」 あたしは喧嘩が大好きだった。喧嘩をしていると「今ここに生きている」っていう実感が身体中を湧いてくる。 学校を辞め、体を動かさなくなり、幼いときからの夢の世界最高峰のバレー選手になる夢を捨て、毎日 無気力な日々の中、街でいきがっている強そうな男を見つけ片っ端から喧嘩を売った。 ・・・・しかしほとんど男が買ってくれない。あたしの体を見てみんな逃げ出す。 買ってくれても、全く話にならない。 だから、最近イライラが溜まり爆発寸前だった。 ・・・・「死」が頭の中を蠢いていた・・・・・ 「そうでしょ!!!じゃーOKっすね!!世界最強の人間は女だった!!!って世間に見せつけましょう!!」 あたしはその言葉を聞いて鳥肌が立った。 ・・・・・あたしが世界最強・・・・悪くないね。・・・腕っ節に自慢のある男共があたしに・・・・・ 目を閉じれば男共が血だらけになって倒れている様子が浮かぶよ・・・ 曲がっちゃいけない方向に足や腕が曲がってる・・そして「男の証」も・・・・・ 女子プロレスも考えたけど相手にならなそうだし・・・・ここで「新しい夢」でもみてみようか・・・・ 「・・・・しょうがないね。よし!!出てみようかな。」 あたしは軽い気持ちで答えた。 しかし ・ ・ ・ ・ あたしの人生はここから面白いように回り始めた・・・・・ [8ページへ] [戴き物展示場へ]
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